活動

活動

2013年12月17日

活動記

平成25年12月9日 12月定例会 一般質問

 皆さん、大変ご無沙汰です!12月4日から12月定例会が開会し、20日までを会期に現在バリバリ議会活動中です。

 今定例会の私の出番第一弾は、9日の一般質問でした。今回は計28問。うち最後の教育長に対する質問以外はすべて知事という、まっことゴージャスなものとなりました(冗)

 質問原稿を以下に載せますので、お時間のある方はご覧下さいませ。

 余談ですが、実は9日は私の40歳の誕生日でして、知事に対し冒頭、「プレゼントとして良い答弁を!」と言おうか迷ったのですが、誕生日であろうとなかろうと答弁の中身がそう変わるわけではないと冷静になり、個人的なことは慎もうと封印したのです。

 今回も相変わらず文字数てんこ盛りでしたので、早口を余儀なくされましたが、それでも傍聴者にとってできるだけ「聴きやすく、分かりやすく」を意識し、特にポイントの箇所は抑揚つけてゆっくり読み上げるとともにキーワードはハッキリ強くすることを意識して、何とか時間を2分余し質問を終えることができました。

 私の質問が終わるとすぐに昼休みに入るので、傍聴に来て下さった支持者の方と執務室で一旦落ち合い、予約していた昼食会場に向かいました。するとその道中、何と嬉しいことに、新潟市にお住まいの方が私に「梅谷県議ですよね?傍聴してました」と声をかけて下さったのです!そこで、袖触れ合うも他生のご縁と思い昼食に誘ったところ、快諾!!皆で仲良くお昼を食べました!!!質問後の一杯(おっと失礼!)ならぬ一食は格別ですし、新たなご縁も生まれ、美味さもひとしおでした。

 次回の2月定例会では、私は一般質問ではなく、一問一答の連合委員会で知事に質問を行う予定です。また新しいご縁を期待し、日程が分かり次第早めにお知らせしたいと思います。。

 それでは私の一般質問をご覧ください。

【平成25年12月9日一般質問原稿】

1、移動知事室について

<成果と今後の課題に向けて>

 去る10月17日から19日までの3日間、上越において4度目の移動知事室を行って頂き、ありがとうございました。再来年の春には北陸新幹線が開業するとともに、旧上越市が13町村と合併して10周年を迎える中、行政や市民、企業、団体にとって、知事の来越、滞在は非常に心強いものであったに違いないですし、知事にとりましても学びや感ずるところがあったのではないでしょうか。

 そこでまずは、移動知事室の感想と成果について伺うとともに、得られた成果を来年度予算にどのように活かしていくおつもりか伺います。また、北陸新幹線開業に向けてはもとより、それ以降の上越地域をより一層飛躍させるために、知事は上越地域の課題をどう捉え対応していくのかお伺いします。

<天水田地域対策>

 移動知事室中、知事からは幾度となく干ばつ被害を受けた天水田地域の牧区高尾を視察して頂き、また地元住民の方々をはじめとする関係者と青空意見交換会を開催して頂きました。これは6月議会での私の一般質問での要請に応えて下さったものと受け止めており、知事の誠実な姿勢にこの場をお借りし心から感謝申し上げますとともに、準備や調整に奔走された本庁ならびに上越地域振興局の関係各位の「汗」に深く敬意を表します。この青空意見交換会の感想と天水田地域の課題認識を伺うとともに、対策に向け来年度予算にどう反映するつもりなのかお伺いします。

<移動知事室よ、再び>

 移動知事室を終えたばかりなのに、このようなお願いをしては鬼に笑われそうですが、北陸新幹線開業までの間に再び上越で移動知事室を行って頂きたいのですが、いかがでしょうか。そして、もし移動知事室を行って頂けるのであれば豪雪の時期に設けて頂けないでしょうか。深夜とも言える早朝から地元の建設業を始めとする方々が道路除雪を行う姿を是非ご覧になって頂きたいですし、その後の通勤、通学の前後にはどのような状況になるのか等々、豪雪時の暮らしの現場に是非とも密着して触れて頂きたいのです。その際、地域振興局の職員がどのような汗をどれだけかいているのかもポイントです。

 県は人口問題対策に力を入れ始めましたが、そのためには少子化対策を行うとともに、出来るだけ多くの方々から本県に訪れて頂き暮らして頂かなければなりません。そのための企画や政策を練る際に、例えば通年観光をどのように構築できるのかといったことや、牧の視察で逆提案された雪エネルギー循環の体制をいかに整えるのか、本県の豪雪地域に初めて訪れた方を暮らしにまで引き込むにはどうしたらいいのか、等々を検討するにあたって、豪雪時の暮らしぶりに直に触れることは非常に重要だと考えます。

 知事におかれましては超多忙スケジュールをこなす日々であり、かつ地域バランスも考慮しなければならない身であることは重々承知しておりますが、北陸新幹線開業や合併10周年を間近に控える上越の厳冬の姿をも是非ご覧になって頂くことを切にお願い申し上げます。

 話を少し戻しますが、視察して頂いた牧区の地域振興に向けた取組みは、数多くある中山間地域の中でも、特に先進的で素晴らしく、知事も多くの学びがあったのではないかと受け止めますが、これが「当たり前」と受け止めてはいけません。牧区のような取組みをしている、できる地域は稀だからです。私の知る限り、多くの中山間地域は超高齢化のもと担い手を見いだせず、活性化への道筋も展望も描くことができず、現場からは「私の代で最期だ・・・」と、かつて必死の思いで水を求め代々繋いできた田んぼを手放さざるをえない無念さをにじます声を耳にします。そこで、大項目2「中山間地域の振興」に向け幾つか質問致します。

2、中山間地域の振興ついて

<コンパクトシティ>

 我が国は7年後の東京オリンピックの誘致を決めるとともに、大都市部への集中化を図る「国家戦略特区」を進めるなど、当面太平洋側の大都市への一極集中の流れが加速する見通しの中、国土交通省はコンパクトシティの形成に向けた取組を行っています。コンパクトシティの議論が中山間地域をないがしろにするものでないことは理解しているものの、旧町村地域の弱体化や中山間地域の疲弊、農村や地域文化の衰退などに対する懸念を払しょくできませんし、東京への一極集中の裏側には地方都市の衰退がつきまといます。県においても持続可能なコンパクトな都市をまちづくりの目標としていますが、これらの懸念を含め、どのように県全体のまちづくりを進めていくのか、知事の所見をお伺いします。

 都市部集約化は上越市にとっても重たい課題です。北陸新幹線新時代の上越市には合併の融合つまり「一体感の醸成」が急務の課題であるものの、一方で、急激な少子高齢化にさいなまれる旧町村の「個性と活力の創出」も追及していかなければなりません。このぶつかりかねない2つの目的を財源とともにどのように調整するか、と腐心しているのが今の上越市であると私は受け止めているのですが、大合併をして10年近く経つ上越市の現状について知事はどのように受け止めているのか見解と課題認識を伺うとともに、その中で本県の果たすべき役割とは何か、知事のお考えをお聞かせ下さい。

<戸別所得補償制度&減反廃止とTPPの脅威>

 農業を基幹とする中山間地域にとって、戸別所得補償制度と減反の廃止、及びTPPは脅威です。今回の国の米政策の見直しとTPPなどによって、仮に、現行の助成水準の低下や厳しい価格競争にさらされれば、地域の中小規模農家が立ちゆかなくなることは明白であり、結果、地域の共同作業の崩壊や耕作放棄地の増加を引き起こす。高齢化や耕作放棄が進む中山間地への支援策も十分とは言い難い状況の中、約7割を中山間地域が占める本県にとって被る影響は甚大ですし、我が国の食料自給率や多面的機能にとっても大きな課題ですが、戸別所得補償制度と減反の廃止およびTPPへの参加が及ぼす本県への影響と課題とその対策について知事の所見を伺います。

 また、戸別所得補償制度の廃止など経営所得安定対策等の見直しを受け、これまでの制度に基づいて営農計画を立てていた平場も含めた農家の方々への対応も急務です。来年以降の営農計画の検討に向けた農家の現状と県の課題認識、及び対応策について知事の所見を伺います。併せて、国の農業政策の見直しを受け、県版所得保障モデル事業は今後どのように進めるつもりなのか、知事の所見を伺います。

<きめ細かな中山間地域支援を>
 新政策は農地集約や経営の大規模化など平場の農業を軸としています。例えば、農地を守るための「日本型直接支払い制度」も中山間地に限らず全農地を対象とし中山間地域を切り捨てうる内容ですし、支払い基準も明確でなくばらまきに繋がるのではないかとの懸念がよぎる中、安倍首相は11月26日、「日本の農山漁村、古里を守っていく」と強調しましたが、その実現には平場とは別に、中山間地域へのきめ細かな支援が必要です。
 減反廃止が浮上したのは10月下旬。暫定とはいえ約40年も続いた政策の大転換をわずか1カ月で決めたことには、私だけでなく多くの人間が拙速の印象を受けたことでしょう。政府は農家とりわけ中山間地域をはじめとする小規模農家の不安を払しょくする仕組みづくりと丁寧な説明に取り組むべきであると考えますが、本県として今後国に対し何を求め、本県としてどのような対策を講じる方針か、知事の所見をお伺いします。

 本県を人間の体に置き換えた時、都市部である心臓がいかに活性化しても、手足の末端となる中山間地域が機能不全となった場合、それが本当に「健康」と言えるのでしょうか。血流が悪化すると、全身の細胞にかかる運河の流れが悪くなり物流が滞ります。情報伝達もできず、栄養も運ばれず、老廃物も溜まる損をする体になる。手足に血液が行きにくいということは、内蔵にも血液が行きにくい。こうなると最初は手足だけの冷え性だったのが、内蔵にまで冷え性、低体温症が及ぶことになり内蔵の機能低下を誘発する。このように医学では末端の機能不全が重篤な症状にまで発展する可能性を示唆しています。

 知事におかれましては、我が国の「農政」という重要な部位に荒々しくメスが入れられるこの状況の中、本県として後遺症が残らぬよう、農家とりわけ中山間地域の小規模農家の方々に対するきめ細やかな配慮をして頂くことをご期待申し上げ、大項目3「県内実体経済の活性化について」の質問に移ります。

3、県内実体経済の活性化について

<企業規模別経営関連指標>

 総務省と経済産業省が実施した「平成24年経済センサス-活動調査」によると、本県に本社がある会社企業29,965社の売上高営業利益率は、全国平均5.01%に対し本県平均は4.22%で、これを企業の規模(資本金)別にみると、資本金3000万円より小規模の企業で全国との差が大きく、資本金300万円未満の企業に至っては全国6.22%に対し本県は3.58%と大きく水をあけられています。また、従業者1人当たりの付加価値額は全国平均537万円に対し本県平均377万円、従業者1人当たりの給与総額については全国平均359万円に対し本県平均285万円と差が大きく、その要因としては、県内にはいわゆる大手企業が少ないことが影響していると考えられるなど、知事がよく仰る「下請け構造」をはっきりと見て取ることができます。

 本県中小企業の収益状況等に対する知事の所見を伺うとともに、こうした本県中小企業の体質改善には、短期、中期、長期的にはどのような施策が必要とお考えなのか、知事の見解をお伺いします。

<末端への波及効果>

 平成24年と平成25年における本県と上越の景気状況を比べると、月ごとにバラつきがありストレートにこれだと言える数字でないという前提ですが、私の地元上越市の有効求人倍率、住宅着工戸数は、10月は下回っているものの概ね県全体を上回っていますし、公共工事においても、市町村ベースのデータを見ると県内でも特に上越地域が好調であると受け止められます。

 現在、上越も県全体も共に新規求人数は産業全体に比して建設業が好調であり、今の景気を支える柱であると言っていいでしょう。上越信金の中小企業景気動向調査でも、業況判断DIは不動産業・建設業で景況感に完全が見られる結果となっていますし、上越商工会議所が4半期ごとに行う景況調査によると、建設業の10月の有効求人倍率が5.54倍。全体のそれは1.14倍と、際立って建設業が高く好調と言えます。ですが、一方でものづくり業が芳しくないなど、4日の趣旨説明で知事も指摘された通り、全体で見ると景況感はまだまだというのが実感です。県内でも好調にある上越市がこうした状況にあるということは、新潟市は別とする県内各地域では同様の状況にあるか、ないしはもっと厳しい所もあるかもしれません。このまま実体経済を伴わない構造のまま消費増税が実施され北陸新幹線開業を迎えても、公共事業の切れ目が縁の切れ目の如く、以後冬の時代が到来してしまうのではないかとの懸念が頭をよぎります。末端の産業・企業にまで景気回復の実感を波及させるためには「現状何がいけないのか、どこに課題があるのか、そのためには何をすべきか」といったことを職員一人一人がそれこそ我が身の如く真剣に議論し手を尽くさなければならないと考えますが、どのような手法、取組みが必要と考えるか、知事の所見をお伺いします。

 また、実体経済が向上するには労働者の所得向上と雇用環境の改善が不可欠と考えますが、知事の見解と対策について併せてお伺いします。

<求む!建設業の人材確保>

 今ほど申し上げたとおり、現在非常に好調な建設業ですが、例えば上越では求人の53%ほどしか応募がないなど、建設業の人材確保が急務の課題です。地域の道路除雪や災害復旧等にも大きく影響するおそれがある建設業の人材不足について知事の所見を伺うとともに、人材確保に向けた課題と対策についてお伺いします。また、人材確保には労務単価の更なる向上が不可欠と考えますが、知事の所見と課題認識、及び向上に向けた決意を併せてお伺いします。

<パナソニック撤退への対応>

 ところで、先日、パナソニックが国内の半導体3工場を売却する方針であるとの報道がされました。そのうちのひとつである妙高市にある同社の工場は、上越地域の地域経済において重要な位置づけの工場であると認識していますが、この点について知事はどのように受け止めているのか伺います。

 パナソニックでは、過去にも大きな人員整理を行ったところですが、過去の人員整理の際の県の取組について伺うとともに、考えたくはありませんが、仮に、今後再び人員整理が行われることとなった場合の対応について併せてお伺いします。

<エネルギー戦略特区>

 実体経済の向上には、国からの支援も積極的に活用しなければならないことは言うまでもありません。直接的ではないにせよ、そのひとつが9月11日に本県と上越市、新潟市、聖籠町が共同で行った「エネルギー戦略特区」に関する提案でしょう。国家戦略特区に対し、なぜこうした特区申請をしたのか、知事の狙いと期待する効果について所見をお伺いします。また、第一弾に選ばれなかったものの、手応えをどう受け止め次に繋げていくおつもりか伺います。

 エネルギーと言えば、次世代エネルギーとして注目されるメタンハイドレートについて、経済産業省が先月29日上越沖の海底で初めて確認したことで、本県としては商業化に向けた期待が益々高まりました。11月2日にメタンハイドレートの第一人者である松本教授を市内にお招きし、関係者間で情報を共有するなど熱心かつ地道に活動を続けてきた上越市としても大いに期待が高っておりますし、もちろん私としても、この上ないほどに期待で胸を膨らませています。この点、知事も例外ではないでしょう。メタンハイドレートの初確認に対する知事の所見を伺うとともに、賦存が確認された海域に近い上越市や佐渡市にお金や雇用が落ちる仕組みづくりに向けた今後の対応についてお伺いします。

<アンテナショップの差別化>

 実体経済の向上には、県内外、国内外の方々に対し優れた本県のブランドイメージを持って頂く努力も欠かせません。

 過日、燕市にある伝統技術を今も脈々と伝えている企業に視察に行って参りました。その際、経営者が非常に興味深い提言をされました。ニューヨークやパリに本県のアンテナショップを設置すべきと言うのです。曰く、見本市に出しても実際の商売にはなかなか結びつかない実態もあるが、目利きの優れた人間が集うこうした場所に拠点を設けることで富裕層の口コミが期待できる。ニューヨーク県人会のネットワークを使って進めるといいと仰っていました。この提案に対する知事の所見をお伺いします。

 加えてもうひとつ提言がありました。表参道ネスパスのようなうまさぎっしり飲食等を売り出す店だけではなく、例えば三条や燕の職人さんたちの手で創り出されるこだわりの逸品を揃えた高級志向のアンテナショップも国内に設置すべきと言うのです。その場合には、内装を整え高級感を演出するとともにミシュランで3つ星を取るくらいの店舗を入れるなどして差別化、個性化し県商品を売り込むべきとのことでした。

 今月ニューヨークで自社製品の展示会を開くなど、海外を飛び回り世界を股にかけて活躍される社長の言葉だからこそなおのこと胸に響くのでしょう。私は素晴らしいアイデアだと率直に感じました。

 これらのアイデアを県政に反映すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。

?

4、カジノについて

 日本で最初にカジノ誘致に手を挙げたのは東京都でした。石原慎太郎前都知事が1999年にお台場活性化の起爆剤としてカジノ建設を提案した時です。これ以降、全国地方自治体等においてカジノ構想が検討されてきました。

 国政レベルでの公的かつ具体的な議論は、2006年6月に与党自民党が「カジノ・エンターテインメント導入に関する基本方針」をまとめたことがスタート地点と言われています。その後、民主党政権下において超党派の「国際観光産業振興議員連盟」通称「IR議連」が発足し、当時の会長が私案として「国際競争力のある滞在型観光と地域経済の振興を実現するための特定複合観光施設区整備法案」を発表。更に2011年8月の議連総会において「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(IR推進法案)」と題する最終案を発表するも、国会提出には至りませんでした。その後、2012年12月に再び政権交代が起こり、先の臨時国会において法案が提出され、来年の通常国会で成立を目指すとしています。

 第2次安倍政権発足後、政府のスタンスがカジノ解禁に向けて積極的になったと指摘する報道等が散見されるようになりました。例えば、安倍首相は3月8日の衆院予算委員会において「色々な課題もありますが、そのような課題はどういうふうに克服していくべきかということもよく議論しながら、しかし私自身はかなりメリットも十分にあるなと思う」と発言しておりますし、6月に閣議決定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」においては、「統合型リゾート(IR)について、IR推進法案の制定の前提となる犯罪防止・治安維持、青少年の健全育成、依存症防止などの観点から問題をしょうじさせないために必要な制度上の検討を関係府省庁において進める」と明記されました。加えて、2020年夏季五輪の開催地が東京に決まったことを受け、カジノ解禁議論も更に加速しています。

 以上のようにカジノ解禁に向けた機運が非常に高まっておりますが、カジノの是非について知事は率直にどのようにお考えなのか。また、近年の成功事例とも言われるシンガポールについての所感をお伺いします。

 本県議会でのカジノ議論は過去に2度行われています。その際、知事は慎重な姿勢を示し、「県が一方的にどうこうということではなくて、(中略)やはり地元でまちづくりをどうするということが先になければ、県が手を挙げるのは難しいのではないかというふうに考えております」と答弁されたのはご記憶のことでしょう。

 確かに、地元の意欲と意向をなによりも尊重しなければならないことは言うまでもありませんが、一方で、今ほど申し上げた通り国政での議論は加速していますし、IR推進法は1か所につきカジノは1つという想定で、国内に最大10か所IR建設を認めるものとしている。また、カジノ解禁の急先鋒に立つ議連の岩屋毅衆院議員は今年7月のインタビューで「地方自治体が手を挙げ国が審査する。まず2,3か所で認め、運営状況を見ながら次を判断していく」と述べています。世界に目を転じれば、会計事務所プライスウォーターハウスクーパースが一昨年12月に発表した報告書によると、「世界のカジノ産業の収益は10年の1176億ドルから15年には1828億ドルに増える。なかでもアジア太平洋地域は15年に793億ドルと世界の43.3%を占める。年間成長率が18.3%と世界の倍」とし、この将来性溢れる市場に向け、カジノが禁じられた中国の客をアジア各国が奪い合う構図にあるのです。こうした状況を考えれば、県として誘致に向けて一刻も早く意欲を示すとともに、最大限努力すべきと考えています。もし知事ご自身の胸中に大なり小なり意欲があるのであれば、今こそ手を挙げるための具体的な動きを起こす時でしょう。まさに「今でしょ!」です。

 本県カジノ誘致に向けた意欲について伺うとともに、来年度予算にカジノをはじめとするエンターテインメント業の可能性の調査費を計上し、論点を洗い出す研究会を立ち上げるなど具体的な準備に取り掛かるべきものと考えますがいかがでしょうか。このことは、仮に県として手を挙げずとも、県内の意欲ある市町村に対する情報提供にも資するはずです。知事の所見をお伺いします。

5、会津との交流について

<会津墓地とは>

 「会津墓地」をご存じでしょうか。読んで字のごとく会津藩士の眠る墓地で、各地に存在しますが、県内には旧会津藩領であった阿賀町、五泉市などのほか、魚沼市と私の地元上越市にあります。

 戊辰戦役直後の1868年9月22日、会津藩が降伏開城すると武装解除され、城内の将兵は猪苗代、城外の将兵は塩川においてそれぞれ謹慎が命ぜられました。12月27日、塩川に置かれていた2500余人の会津藩士(実際には諸事情により1700余人)は越後高田藩に御預けが命ぜられ、ここから会津藩士の越後高田における謹慎生活が始まります。

 会津藩士に対し、政府は謹慎諸費として一人につき二人扶持を支給していましたが、物価の高騰によって日用品の購入はもとより食料の調達に支障が出てきたことから自炊生活に切り替えます。その際、高田藩は苦しい財政事情にもかかわらず、一人扶持を増し三人扶持を与えることとし、そのうち一人扶持は白米で渡しました。また、会津藩士は謹慎生活であっても外出が許され、学問や芸能に関して時を費やすことができ、越後高田の人々との交流が深まりました。しかし残念ながら、1年半にわたる謹慎生活中、60余人の病死者がありました。死亡の主たる原因は、長引く戦乱とそれに引き続いての謹慎生活によってもたらされた心身の衰弱、栄養障害による抵抗力の欠如が考えられています。その彼らの眠るのが、上越市西部を南北に貫通する山麓線から金谷山の日本スキー資料館に向かって500メートル進んだ左側にある「会津墓地」です。

 金谷山の会津墓地は、故田村真実氏と故堅幹氏父子によって守られてきました。真実氏は福島県出身の医師で長岡病院を経て高田病院に眼科医として赴任。次いで高田町馬出において眼科医院を開業し、終始、同郷の先人が眠る墓地の保全に心を砕いてきました。堅幹氏もまた、父の志を継いで墓地の管理に努めるとともに墓地の調査を進め、墓籍図を作成し現状を明らかにし、また、案内板を設置して市民に周知を図りました。

 堅幹氏が亡くなった平成15年以後、墓地には野草が生い茂り荒れました。遠路墓参に訪れる会津若松市民の心情を考えるとこのままでは放置できないとして、市民が上越市に整備を提言。「墓地は宗教的施設で難しいが、市の土地の管理ということで年2回行政側で草刈りを実施する」との回答を平成18年夏にもらい、今に至ります。

 会津墓地は確かに、墓地として見れば宗教的施設かもしれませんが、当時の会津藩士と越後高田の人々の義の交流が今に活きていることを考えれば、史跡、文化財としての側面もあり、本県にとっても貴重な財産であると私は考えています。そこで知事に訴えさせて頂きますが、県もこの会津墓地に対しこれまで以上に注目して頂き、維持管理について物心両面から支えて頂けないでしょうか。知事の見解をお伺いします。

<交流推進に向けて>

 上越・高田の文化に会津藩士との交流が関わっていた義の歴史に感銘を受けた私は、この貴重な財産を県内外に広め、上越市と会津との交流はもとより、県として越後と会津が共有する歴史資源を活かした交流を推進することは両県を結ぶ広域観光に大きな効果を及ぼすのではないか、そしてこのことは3.11以降風評被害等に苦しむ会津の力になるのではないかという想いから、早速、単身会津若松市に赴き、市長との面会を皮切りに福島県に視察に行って参りました。

 若造議員からの突然のアポイントにはおそらく市長も面食らったことでしょうし、片や首長、片やいち議員ではなかなか踏み込んだ話し合いにもなれず、個人的に顔合わせできたという収穫はあったものの、正直もどかしさを残す会談でした。そこで痛感したのが、「今でしょ!」ならぬ「知事でしょ!」です。知事からも是非とも音頭を取り交流の先頭に立って頂きたいと考えますが、会津との交流の推進について知事の所見と課題認識を伺います。

<春日山城の保存整備促進>

 会津との交流には、オリジンとなる上杉謙信公の居城・春日山城について語らないわけには参りません。この点、今は亡き故市村孝一議員が質問されておりますので、私からの説明は省き、その答弁を確認させて頂くことで質問に繋げます。

 まず、平成20年6月議会の質問において、上杉謙信公と春日山城に対するイメージを問われた知事は「新潟県が誇る貴重な文化財の一つとして、後世に伝えていくべきものである。(中略)歴史的価値の高いものであるのではないかと強く感じました。(中略)きょうの市村議員のお話というものを胸に刻んで、今後の県政運営に当たってまいりたいと考えております」と述べ、平成22年2月議会では、観光素材としての春日山城跡について聞かれた知事は「あらゆる可能性を追求してまいりたい」と答弁されました。このように知事は、春日山城に関し「歴史的価値の高いもの」とし、観光素材としては「あらゆる可能性を追求して参りたい」などと答弁されていますが、これまでの間、どのような取組を進めてきたのかお伺いします。また、今後どのように盛り上げていくのか、知事のお考えを併せて伺います。

 また、春日山城を地域の皆で支えようと、上越市内の春日地区の方々を中心に構成する「春日山城保存整備促進協議会」という団体があるのですが、ここが市の実施する公有化や発掘調査などへの支援を県に要望しており、是非ともこの点についてこれまで以上に注目して頂き、保存・活用が前進するよう、知事からの力強い後押しを期待しますが、要望に対する見解と今後の決意についてお伺いします。

6、県立武道館について

 最後に、県立武道館について質問致します。

 振り返れば、平成23年10月31日に必要性の検討を始めた「県立武道館検討有識者会議」をもって県立武道館に関する公的かつ具体的な議論がスタートしました。以降、今の「基本構想検討会議」への衣替えを経るなど2年以上が経過し、ようやく年内にとりまとめを行うところにまでたどり着きました。この間、知事のもとには数多くの要望陳情が寄せられたでしょうし、また、例えば上越市では、3月に4万3803筆の署名を集め知事に提出したり、11月17日には上越、糸魚川、妙高、十日町の4市の市長をはじめ武道団体や経済団体の関係者ら約500人が気勢を上げるなど、誘致に名乗りを上げている5市は各々活発な活動を進めており、知事はこれらの切実な想いをヒシヒシと肌で感じていることでしょう。

 これまでの議論を振り返りどのような感想をお持ちなのか知事の所感を伺うとともに、今後県立武道館を整備された場合、どのような本県の姿を期待しているのかお伺いします。

 併せて、県立武道館基本構想検討会議による年内とりまとめの候補地評価方法についてどのような項目の検討を行ったのか伺うとともに、県立武道館整備の今後のスケジュールについてお伺いし、質問を終了致します。

(了)

このページの先頭へ