活動

活動

2013年12月20日

活動記

平成25年12月20日 12月定例会閉会

 只今、12月定例会の〆となる本会議を終え、執務室にてブログっております(笑)

 本会議の議事は、補正予算をはじめとする議案23件、請願6件、陳情4件、継続中の請願7件、継続中の陳情8件について一括議題。その後、意見書13本が発議され、丁々発止のやりとりがなされました。

 今議会に私たち会派が提案した意見書案は、「特定秘密保護法の修正を強く求める意見書案」、「農業再生に向けた将来像とその実現に向けた確かな制度設計を求める意見書案」、「選挙制度の抜本改革を求める意見書案」の3本でした。

 なかでも注目だったのが、「特定秘密保護法」に関する意見書でした。

 自民党提案の「特定秘密保護法に関する意見書」と、私たちが提案した「特定秘密保護法の修正を強く求める意見書」、社民党と共産党が共同提案した「特定秘密保護法の撤廃を求める意見書」の計3本が提案され、それぞれで趣旨弁明が行われるとともに、公明党と社民党からそれぞれ賛成討論が繰り広げられました。

 私の出番はというと、「農林漁業専門」という色が浸透してきたのか、「農業再生に向けた将来像とその実現に向けた確かな制度設計を求める意見書案」について趣旨弁明するべく、壇上で訴えて参りました。

 原稿を作成する際に主なポイントとしたのが、①産業競争力会議主導による新自由主義旋風が本県農業に脅威を及ぼしかねないこと、②安倍首相は言葉だけではなく具体的に将来像や制度を提示することで農家に見通しと安心を与える必要があること、③そのためには農政に与野党があってはならないこと、の3点でした。

 初稿の段階では、このほか、外圧に押された対応に釘をさすこと、も盛り込んでいました。その文章がこちら。

 「TPP年内妥結を視野に入れた方針があったと感じるし、その背後には自国の輸出倍増計画や経済・安全保障圏域の拡大を図ろうとするアメリカの意図が透けて見える。特定秘密保護法の審議時も同じような対応であったことも見逃せない。昨今の中国や朝鮮半島を巡る緊迫した情勢から、アメリカからの要請に突きあげられた政府は、一刻も早く情報管理体制を整備するべく、先の臨時国会での可決成立にこだわり、極めて不十分な審議のもとで押し切った。こうした国民の暮らしを脇に置いてアメリカを重視する対応が本当に望ましいのだろうか。本来、国政の根幹に関わる課題については、国民に情報を提供し、現場の声にしっかりと耳を傾けながら、十分な政策議論を行った上で、トップが決断に踏み切るべき。しかしながら、今の安倍政権のやり方は、外圧に押され、産業競争力会議主導でまず決めてしまってから、現場の混乱を収めるための対策をこれから考えるといったなし崩し的な対応に映る。」

 一人当たりの持ち時間は5分程度なので、文字数で1500字くらいに絞らなければならず、この長文はやむなく全カット。。。まあ、カットした後はよりテーマがスッキリした内容となったので良かったのでしょう。

 以下に原稿を載せますので、ご覧下さいませ。

【農業再生に向けた将来像とその実現に向けた確かな制度設計を求める意見書案】

 提出者を代表し、第44号発議案「農業再生に向けた将来像とその実現に向けた確かな制度設計を求める意見書案」に対し趣旨弁明を行います。

 政府は、2018年度をめどに行政による米の生産調整目標の配分を廃止する方針を示すとともに、現行補助金の見直しや米政策の改革案を打ち出しました。農政の根幹である米政策の大転換です。一方で、それに伴う米価の下落や離農の増加などの懸念をどう払しょくしていくのか、具体的な道筋が見えず、農業再生に向け我が国はまさに正念場に立たされていると言えます。

 この方針を主導したと言われる産業競争力会議には、小泉政権のブレーンだった竹中平蔵氏がメンバーに採用されています。彼のアメリカ型競争・効率一辺倒の新自由主義に基づいて成長を図ろうとする姿勢に、かつて本県をはじめとする地方が苦しめられたことは記憶に新しいでしょう。その脅威が再び本県を襲おうとしています。  

 新方針では農地集約や経営の大規模化など平場の農業を軸とし、中山間地域を切り捨てうる内容となっていて、このままで仮に、現行の助成水準の低下や厳しい価格競争にさらされれば、地域の中小規模農家が立ちゆかなくなることは明白であり、約7割を中山間地域が占める本県にとって被る影響は甚大ですし、我が国の食料自給率や多面的機能にとっても大きな課題です。

 アメリカのような国が行う、平場で超大規模農業を進めるいわば「レンガ造り」の農業と異なり、我が国の農業は、平場と山場で大きい田んぼと小さい田んぼが絶妙に組み合った「石垣」のようなもの。このように前提があまりにも違うにも関わらず、同じ土俵で相撲を取らせようとする方針そのものに違和感を覚えざるをえません。

 安倍首相が「日本の農山漁村、古里を守っていく」と発言している以上、平場とは別に中山間地域へのきめ細かな支援を行って頂かなければなりませんが、きちんと対応してくれる保証などどこにもありません。安倍首相はかつて消えた年金問題で5000万件の記録消失者について「最後の一人まで探し出して年金を払います」と約束したにもかかわらず守れなかったことや、選挙公約であったTPP聖域発言を選挙後直ちに翻し公約違反を堂々と行っていること、汚染水コントロール発言、そして国民の知る権利など民主主義の根幹を揺るがす秘密法案を数の力にものを言わせたった68時間の審議で強行採決に踏み切ったこと、等々から考えれば、「日本の農山漁村、古里を守っていく」べく、今後どこまで誠実に対応するのか、全く不透明と言わざるをえません。

 減反廃止が浮上したのは10月下旬。暫定とはいえ約40年も続いた政策の大転換をわずか1カ月で決めたことには、私だけでなく多くの人間が拙速の印象を受けたに違いないでしょう。その証拠に、現場からの多くの不安の声はもとより、今議会において多くの議員からこの点に対する質問がなされたことや、懸念を表明し対策を求める意見書が自民党からも提案されていることから明らかです。

 今回の農政大転換において、産業競争力会議主導のもと、減反廃止ありきでその埋め合わせに追われるような「猫の目農政」では混乱を招くばかりです。将来見通しが立てづらく頑張れば頑張るほど赤字が出るおそれのある職業に新規就農者が生まれるわけがなく、持続的かつ安定的に食料を生産するためには農家に十分な所得を保障することが大事であると同時に、我が国の農業をどうするのか、目指す将来像とその実現に向けた確かな制度設計を示すことが重要と考え、ここに強く要望するものです。

 農家の方々が将来にわたり安心して農業を営むためにも、農政に与野党があってはなりません。議員各位におかれましては、本意見書案に対しご理解を賜り、本県農業の発展に向けご賛同を賜りますようお願い申し上げ、趣旨弁明を終了致します。

(了)

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