<迷走する岸田政権>
岸田政権の迷走が止まりません。
象徴的なのが、寺田前総務大臣の更迭が原因で、11月21日に予定されていた補正予算案質疑のための本会議の開始が大幅に遅れた事態です。
補正予算案には総務省関連法案もあることから、大臣が交代すれば新大臣の所信表明と質疑が終わるまで、当該省庁にかかる審議はストップするのが原則です。このため急遽、各党各会派間で今後の日程について厳しい交渉が行われました。
結局、野党側の配慮により、総理の謝罪と説明を条件に、例外的に本会議開催が認められ、1時間45分遅れで本会議が開かれたのでした。同時に、24日に予定されていた予算委員会も1日遅れでのスタートとなりました。
国務大臣の辞任はこのひと月半で3人目です。総理が罷免を否認し、週をまたぐと一転して大臣の首をすげ替える。これが毎週のように繰り返され、その度に国会審議は遅れを余儀なくされています。
寺田氏は、所管する公職選挙法および政治資金規正法の解釈を自己弁護のために捻じ曲げており、不適格であることは1週間前の総理の外遊前からすでに明らかでした。国会審議を混乱させているのは、何よりも総理の判断の遅さ、決断力の弱さに他なりません。
岸田総理の任命責任はもちろんのこと、ご自身のリーダーとしての資質が大きく問われる局面にさしかかっています。
<失われる財政規律と透明性>
開会から1月半経ち、ようやく第2次補正予算案の審議が始まりました。多くの課題を内包していますが、なかでも問題視しなければならないのは「予備費」と「基金」のあり方です。
そもそも補正予算とは、財政法29条で「特に『緊要』となった経費の支出」が要件とされています。にもかかわらず、はじめから大半が今年度中に使う予定のないお金を「基金」として新たに8.9兆円も積んでいます。
国会の議決なしに使途を決められる「予備費」も、この補正予算案で4.7兆円が追加されました。経済が回復基調にあるにもかかわらず、今年度予備費は過去最大の11.7兆円まで膨らんでいるのです。
「緊要」から逸脱した、いわば「メタボ予算」を支えるのは、22.8兆円もの国債、すなわち新たな借金です。財政規律のタガが外れた後に追ってくるのは、次世代へのツケであり、増税の足音だということを忘れてはなりません。
衆議院では引き続き、予算委員会が週明け28,29日に開催されます。数の力に驕り緩み切った政治に喝を入れられるか否か、注目です。
<文科委員会の法案審議に備えて>
先週末、補正予算関連法案である「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構法の一部を改正する法律案」の審議における質問バッターとして打診を受けました。文部科学委員会3回目の一般質疑で質問に立つべく準備を進めていたところでしたが、与えられた機会ですので、充実した15分となるよう質問準備に励みます。
この法案は、デジタルやグリーンなどの成長分野における、理系人材の発掘・育成のため、組織改編等を行う大学を支援するもの。そのために3002億円の基金を設けるという内容です。
審議するにあたり、その対象を直接見る必要があると考え、さっそく基金の置かれる「機構」を視察しました。現場の方々からは、法案成立後に文科省が策定する基本指針を受け、それに沿って準備を進めるとのお話がありましたが、具体的なことはこれからという印象を受けました。
法案が掲げる政策目的を達成するためには、十分な体制づくりが不可欠であると同時に、現場が混乱しないよういかに丁寧に進めていくかが課題だと感じました。
このほか、世界遺産登録を目指す「佐渡金山遺跡について」と「基金のあり方について」、時間の許す限り、政府の姿勢を問うて参りますので、ご注目下さい。
<W杯ドイツ戦の歴史的逆転勝利>
23日のワールドカップ・ドイツ戦における日本の劇的勝利に、未だ興奮が冷めやらないのは私だけでしょうか。
円安・物価高に加え、コロナの第8波とインフルエンザの流行が始まるなど、まだまだ厳しい話題の多い日本ですが、この勝利は全ての国民を勇気づけるものであったと思います。
延長含みの国会も、閉会まで残すところあと1ヶ月を切っています。サムライジャパンからもらった勇気と、議席を与えて下さっている感謝を胸に、これからも世のため人のため、とことん時代を切り拓いて参ります。