〈臨時国会を終えて〉
先週末、異例の土曜国会が閉会しました。本来であれば会期延長が本筋の国会スケジュールであったことから、今週も政策関連の会議や視察などの東京日程が多数設定されていました。
閉会中は地元密着で現場にどっぷり浸かりたいところですが、東京と地元を往復する毎日を過ごしました。
〈国民不在の安全保障政策の転換〉
国会が閉会したとたん、政府与党は「防衛費の増額」と「増税」の話を持ち出しました。なぜ増税なのかはもちろんのこと、防衛・安全保障政策をどう転換するのか、どのような防衛力を整備しようとするのか、いずれも国会で議論すべき事柄です。
国際情勢の変化の中、安全保障の見直しや防衛力の強化について議論し対応していくことはもちろん必要です。ですが、政府が16日金曜日に閣議決定した中身は、「防衛費は1.6倍、武器・装備の調達費はツケ払いも含め2.5倍へ」と、いきなり増やすというもの。わが国を取り巻く極東アジアの国際情勢や軍事的環境の変化が徐々に進行しているのは確かですが、敵基地攻撃をはじめとする安全保障のスタンスの変化に関しては、国民の理解と合意が不可欠です。
国会での議論と国民への説明責任を回避しようとするこのような手法は、国民を馬鹿にし、民主主義を軽んじるものだと言わざるを得ません。
<国民の責任⁉️許されぬ増税>
国民への説明も理解もない防衛費の増額を理由に、こちらもまともな説明もないままに大増税が行われようとしています。特に、復興特別所得税の“流用”は、断じて容認できません。
復興増税は、厳しい経済環境と国民生活の中、東日本大震災の復興のためならと苦渋の負担を国民の皆さまにご理解頂いているものです。他目的への転用は約束破りであるだけでなく、実質的な単純増税そのもの。復興増税期間を延長するなどという話もありますが、各年度の復興財源が減り復興を遅らせることにもなりかねません。
岸田総理は「所得税は増税しない」「今を生きる国民の責任」などと口にしましたが、現下の暮らしの窮状における国民の感覚とあまりにかけ離れています。総理の「聞く力」は、一体どこに行ってしまったのでしょうか。
<制度の谷間の改善実る>
今週、住宅取得やリフォームをお考えの方々や建築・住宅関連の事業者から問い合わせが相次いだ件がありました。それは、国交省の「こども未来住宅支援事業」と「こどもエコみらい支援事業」の谷間に陥ってしまい支援が受けられない、という問題です。
「こどもエコすまい支援事業」とは、子育て・若者世帯による省エネ住宅取得・改修等への補助事業で、令和3年度から実施されていた「こどもみらい住宅支援事業」の事実上の後継事業です。 先月末、予算限度額に到達したとして「こどもみらいの終了」が突如告知される一方、「こどもエコすまい」は11月8日以降の新規契約のみ対象とされたため、それ以前に契約し工事着手を待っていた方々が、補助を受けられなくなる事態が多数発生していたのです。
「こどもエコすまい」は経済対策なので、経済対策発表後の契約しか対象にしない、これが国の主張でした。しかし、「こどもみらい」は今年春にも予備費で予算が追加されており、来年3月まで受け付けると告知されていました。再度の予備費や補正による予算の追加をしなかったのも、経済対策名目で「こどもエコみらい」に看板を切り替えたのも、政府の勝手な判断によるものです。
私は、国の都合でできた制度の谷間に落とされた方々は救うべきだと、国交省担当者に強く申し入れてきたところ、11月8日以前の契約でも「こどもエコみらい」の対象とする方向で制度の見直しが行われることになりました。
従来の事業より要件が厳しいなど不十分な点もありますが、「費用が払えない」「お客さんの負担を肩代わりせざるを得ない」といった声の多くは、これで救われると期待しています。
〈とことん地元〉
国会閉会中はほとんど地元にいますが、地元にいる間は、多数お寄せいただいている陳情やご要望などのご相談ととことん向き合っています。
現場に直接足を運び、関係者などとつなぐことで解決への道筋を見いだす。こうした活動を通じて、少しでも地域が元気になり安心につながることは、非常に嬉しいです。
引き続き、皆さまの声を政治にしっかりつないで参ります。何かお困りごとなどありましたら、なんなりとお問い合わせください。