<来年度予算案、衆議院を通過>
今週、令和5年度予算案が与党の賛成多数により衆議院本会議で可決され、参議院に送付されました。急増する防衛費の使途の不明確さや防衛増税、復興所得税の流用、看板倒れの子ども予算など問題の多い予算案であり、私は緑の木札を投じ反対いたしました。
総理が「異次元の少子化対策」を掲げて臨んだ国会で、来年度予算案で防衛費が26%増、子ども予算はわずか2.6%増。
物価高などで暮らしが削られる中、増税や少子化、安全保障の強化など、国民の懸念に正面から向き合う国会となるものと期待しましたが、蓋を開ければ、総理はじめ政府からは、何ら具体的なものが示されないままです。
この国会、特に総理・閣僚の答弁のひどさも目立ちます。例えば防衛の議論、私たちも防衛の強化の必要は認めつつ、どのような場合に「反撃力」を行使するのかなど具体的な議論をしたいのに、「手の内を明かせない」などとはぐらかすばかりです。
2千億円以上かけて購入するトマホークの数すら拒否し、泉代表に「米国すら議会に報告している」と指摘されると、翌日あわてて「400発」と答弁するありさま。「とりあえずごまかそう」と、国会での議論や国民への説明の軽視がありありとうかがえます。
総理が「異次元の少子化対策」を掲げて臨んだこの国会ですが、国民の悲鳴や経済の現状を無視して増税に邁進する「異次元の鈍感力」、課題を先送りする「異次元のごまかし政治」、そして「異次元のはぐらかし答弁」が目立つ姿は、本当に残念でなりません。
予算委員会の議論は、一昨日から参議院に舞台を移しました。岸田総理には、国民にとって分かり易い議論とともに、自分がやりたい政治だけでなく、国民が求める政治を行うことを求めて参ります。
<林外相のG20外相会合欠席>
3月1日からインドで開催されたG20外相会合に、林外務大臣が欠席したことが話題になっています。
少しご説明しますと、閣僚は国会から求められたときはいつでも出席する義務がありますので、閣僚の海外出張は事前に国会の各会派に報告されます。国会日程上問題がなければ許可されますし、予算委員会はじめその閣僚の出席を求められることが分かっていれば基本的に許可されません。従って、どうしても重要な出張の場合は、政府・与党が出張を優先したいと各党各会派に相談して協議することになります。
しかし今回、自民党も国会日程優先を求めるなど、岸田内閣が外相会合への出席を実現しようと努力した形跡がありません。外相会合の日程はかなり前から政府として分かっており、去年の臨時国会のように、予算委員会の日程を調整するなど様々な工夫もあったはずです。
岸田内閣は、G7議長国としての立場や友好国インドとの関係を踏まえたG20外相会合の重要性、ひいてはこの緊迫した国際情勢における外交についての認識が不足していると言わざるを得ません。
<ガーシー議員問題について>
立憲民主党は2日(木)、維新の会と共同で、歳費法の改正案を衆議院に提出しました。この法案は、正当な理由なく国会に登院しない議員について、歳費の4割カットを可能とするものです。
当選以来登院していないガーシー議員に対しては、参議院で懲罰が議決され、本人による陳謝が行われる見通しですが、今後も登院が見通せないという話もあり、政治不信の払しょくという観点から迅速な対処を決定しました。なお全額でなく4割というところに疑問を抱かれる方も多いと思いますが、全額不支給だと憲法上の疑義が生じ国会審議に時間を要するため、迅速な対応を優先しこの内容となっています。
予算審議の最中に長期欠席する議員が注目を浴び、重要な課題を差し置いてニュースに時間が割かれ、政治不信が助長される現状は極めて残念です。早期に事態が収拾されるとともに、国会における言論でガーシー議員がその役割を果たすことを期待します。