<最終盤を迎える国会、伝家の宝刀は抜かれるのか>
少子化対策に3.5兆円の財源不明の「見せ金」を積むなど、解散間近を感じさせる動きを岸田内閣が見せる中で、私にとって2度目の通常国会もいよいよ最終盤を迎えています。
全国で個人情報に関わるミスが相次ぎ、国民から強い不安の声が上がっていたマイナンバー法の改正は、本日2日、参議院で採決が行われ成立しました。入管法や防衛財源確保法などその他の岸田政権の重要法案も議論を尽くすべく戦っておりますが、与党は強行採決もちらつかせており、21日の会期末を控えた攻防が激しくなっています。
私の所属する委員会では、①文部科学委員会は交渉していた来週の一般質疑がまとまらず、本日の委員会が今国会最後の開催となる見通しです。②拉致委員会は開催のめどが立たず、③農林水産委員会も法案審議が全て終わり、来週一般質疑が入るかどうか。衆議院では議員の姿もまばらで、閉店ムードが漂っています。
しかし国民の暮らしがこれだけ厳しい中、国会で議論すべきことはいくらでもあります。本来なら会期末まで、あるいは会期を延長してでも、様々な課題に対して政治はもっと貪欲に議論していかなければなりません。閉会ぎりぎりまで「とことん国会活動」に勤しみ、閉会したら「とことん地元活動」に尽力して参りたいと思います。
<岸田翔太郎総理秘書官の更迭と公私混同>
岸田総理の息子である岸田翔太郎総理秘書官が、今週一転して更迭され、6月1日に辞職しました。総理は先週の国会で、注意のみにとどめる姿勢を見せていましたが、国民の強い批判に庇いきれなくなった形です。
この問題に関しては、政治家の世襲も大きな話題となっています。私は一般人がどんどん議員になれるようでなければ、この国の活力は失われるばかりだと思っています。同時に、国会議員の世襲そのものの当否は、最終的には投票する有権者が判断することだとも思います。
ただ総理秘書官、それも首席秘書官を選んだのは有権者ではなく総理です。首席秘書官を異例の二人体制とし実務は官僚出身者をあてた上で、近親者に地位と権力を与えたのは岸田総理であり、その不祥事に甘い対応を続けたのも総理です。この問題で公私の区別を問われているのは翔太郎氏ではなく、総理自身だと私は考えます。
<給特法廃止法案を国会へ提出しました>
本日、議員立法「給特法廃止・教職員の働き方改革促進法案」(正式名:公立学校働き方改革の推進に関する法律案)を衆議院に提出。私も提出者の一人となりました。
給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)とは、給与額の4%分の手当を支給する代わり、時間外手当は支払わないことなどを定めた法律です。この法律の前提には、例外的なケース以外は残業をさせないルールがあったのですが、時代と共に学校に期待されることが激増。教員の過労死ラインを超える時間外労働や持ち帰り仕事は当たり前、でも残業代は払わないという、いわゆる「定額働かせ放題」の状況がつくり出され、教育現場では身体を壊して休職・退職に追い込まれる方や過労死が相次いでいます。教師を目指す若者も減り、教員不足が現場をさらに疲弊させる悪循環も起きています。
今回提出した法案は、教員に真っ当な労働環境を取り戻し、授業準備などの本業や子どもと向き合う時間を確保するため、給特法を廃止し、必要な人員確保や不要な業務の削減を進め、働いた分の残業代もきちんと出る、真っ当な教育現場を取り戻すことを目指すものです。
なおこの法案は、維新と共同で内容を検討してきたものです。しかし法案提出を前に、維新の中で給特法廃止について異論が出たとのことで、ギリギリまで提出を待ちましたが、会期末が近づいたことから、今回は単独で提出することになりました。
<財源の根拠なき子育て支援>
今国会の争点の一つである「異次元の少子化対策」に関し、政府は今月1日、主なメニューや3.5兆円という予算規模を示しました。しかし財源については年末の予算編成・税制改正まで先送りする方針を示し、主な施策の実施も来年度以降となります。
防衛費に関しては、昨年末、わずか数週間の議論で調達する装備や増税まで早々と決めたのと比べ、扱いの差はあまりに歴然としています。もし岸田総理が、これから年末までに解散総選挙に踏み切るとすれば、これほど露骨な選挙対策、これほど国民を馬鹿にした話はないでしょう。
児童手当の拡充など施策の多くは私たちが求めているものです。しかし、その裏で国民が背負わされる負担、財源を明らかにしないのはあまりに無責任であり、子育て世代の不安をかえって煽るだけではないかと考えます。